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夏・緑葉期の金閣寺「夕佳亭と不動堂」
京都の金閣寺は正式な名称を鹿苑寺といい、相国寺の塔頭寺院の一つです。舎利殿の「金閣」が特に有名なため、一般的には金閣寺と呼ばれています。室町幕府の三代将軍であった足利義満が、山荘北山殿を造ったのが始まりとされ、京都の北山文化の象徴として、国内外に知られる名刹です。山にかこまれた広大な境内には、多くの建物、庭園や池、義満公由来の名所があり、世界遺産(文化遺産)に指定されています。 四季それぞれ、趣のある景勝で人々を迎えてくれます。
夕佳亭(せっかてい)は小高い位置にあり、数寄屋造りの茶室です。ここから眺める金閣(舎利殿)が、夕日に映えて美しいことから、夕日に佳い茶室として「夕佳亭」と名付けられたとのことです。江戸時代の茶道家の金森宗和が建てたもので、素朴な中に秘めた格式が感じられます。そして上段の間にある三畳敷の床柱には、茶席としては珍しくナンテンの木が用いられていて、「南天の床柱」として有名・・・。また夕佳亭の前庭の片隅には、足利八代将軍義政が愛用したといわれている「手水鉢」と「石灯篭」が置かれていて、歴史を語っています。
夕佳亭から数十メートル離れた所にある不動堂は、天正年間に再建されたと言われていて、金閣寺境内に現存する最も古い建物です。本尊は空海(弘法大師)作と伝えられる石不動明王で、参拝者が立てる線香の煙と香りが絶えません。
今回、訪れたのは真夏の8月下旬。夕佳亭の周りの木々は、深緑の葉を付け、近くの森では、クマゼミと思われる蝉しぐれが行きかう暑い日でした。人々の姿も少ない中、汗をぬぐいながら散策。晩夏で、ツクツクボウシ、ツクツクボーシと鳴く蝉の声が・・・。そして時たま木々の間を渡って来る、ほんの少し涼しさを含んだ風に、もうすぐやって来る秋の気配をチョッピリ感じました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2014年07月04日
- 更新日
- 2016年09月12日 13時 06分