TOP > テーマ別おすすめ画像 > 春・新緑期の京都「銀閣寺」
テーマ別おすすめ画像
春・新緑期の京都「銀閣寺」
銀閣寺は正式の名称を東山慈照寺といい、臨済宗で相国寺派の塔頭寺院の一つです。室町幕府の八代将軍であった足利義政が、造営した山荘を起源としているとのことです。その後、室町時代の後期に栄えた東山文化を代表する建築と庭園美として、国内外に有名・・・。現在は、古都京都の文化財の一部として、世界遺産に登録されています。
楼閣である銀閣(観音殿 国宝)は柿葺で、質朴さの中に高貴さを加えた宝形型の重層構造です。初層は住宅の風で「心空殿」、上層は禅宗様(唐様)の仏堂で「潮音閣」と呼ばれます。そして書院造りの基となる意匠が取り込まれていて、東山文化の代表的な建築物とみなりされています。
銀閣寺の建物、庭園、池、裏山の森や竹垣などは、春夏秋冬と季節の巡りに合わせて、そてぞれの風情を語ります。
今回は、春の新緑期に訪れました。すっかり暖かくなっていて、参道の門前町を歩く人々の中には、春の花柄を織った和服姿も見られ、京都の八ツ橋や漬け物などの土産を求める声も、華やいて聞こえました。
山門からつづく”銀閣寺垣”の道は、竹垣の上にピンク色の花弁を膨らませた椿が、温かくに迎えてくれました。銀閣(観音殿)、本堂や東求堂は黄緑色の若葉をまとった木々に囲まれ、白い銀沙灘と向月台、常緑の松とよく調和・・・。
秋と冬の風情を思い出しながら、庭園をゆっくり散策。錦鏡池、洗月泉、お茶の井と石組みの庭は、新緑に混じって、鮮紅色のツツジ、黄色のヤマブキ、薄桃色のショウジョウバカマの花たちが咲き・・・、マンリョウの赤い実が季節の変わりゆく様を語っていました。また山と庭を境する高い竹垣の周りは、清らかな黄緑色の苔が広がり、時々、朝の陽ざしが枝葉の影を映していました。
春の銀閣寺は、奥の山や趣深い建物と常緑の木々に護られつつ、萌えるよう若い枝や葉が暖かい季節の到来を告げていました。心も温められました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2014年08月01日
- 更新日
- 2018年04月16日 17時 33分