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日本各地の溶岩原(浅間山 、 三原山、 桜島 、 岩手山)
溶岩原は火山のマグマが、溶融した状態のままで地表に流れ出たものが、全体として扇状地や平坦な地域となったものです。その姿は、溶岩流の厚さや性質によって大きく変化します。そして何もなかった溶岩原も永い年月を経て、溶岩群の中に低い草木たちが、たくましく根を張り、徐々に草木の植生が広がり・・・、やがて緑豊かな景色を創り出します。
「鬼の押し出し」は1783年に生じた、浅間山の噴火で流れ出た溶岩流です。その膨大な量の溶岩が風化して生じた姿は景観。晩秋に訪れた鬼の押し出し園では、真っ赤に紅葉した低い木に黒い実がなっていました。
「伊豆大島の三原山」は約2万年前から現在まで、100年ないし200年毎に大噴火が起き、何度も溶岩流が生じ新旧の溶岩原が見られます。1951年に溶岩流に覆われた以降は、荒涼とした風景でした。しかし植生が進み、古い溶岩原では植物たちが草原や森を形成。夏に来ました三原山では、白い花弁に黄色い筋を持ったヤマユリの花が揺れていました。
「桜島火山」は有史以来、噴火を頻繁に繰り返して来ました。とくに50年前に生じた溶岩原は、殺伐とした世界だったとのこと。しかしその後に岩には苔が生え、徐々に砂や埃がたまりシダ類が現れ、今では樹木による森も見られるようになっています。冬に訪れた桜島では、灰白色の火山灰に薄く覆われたツバキの赤い花が、眼を惹きました。
「岩手山の焼走り」は新しい噴火から、300年ほどしか経過していないため、表土もほとんど無い黒い岩場です。春に訪れた岩手山の焼走りでは、黒い荒涼とした溶岩原の岩の間に黄緑色の葉を持った若い木が、まばらに生えて来ていました。
火山が多い日本列島では、比較的新しい噴火による溶岩原が存在し、それぞれ植生の段階を見ることが出来ます。火山も溶岩原も植物たちも生きていて、四季の流れと共に変化を続けています。(潮 信輔)
- 登録日
- 2020年10月05日
- 更新日
- 2020年10月05日 10時 40分