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秋の房総「犬吠埼灯台」
犬吠埼灯台は千葉県の銚子はずれにある白亜の灯台です。太平洋の豪快な荒波が打ち寄せる犬吠埼の突端に、毅然とそそりたっています。塔形をしたレンガ造りの大型灯台。レンガは日本製で19万3千枚も積み上げられ、レンガ造りの建築物としては、尻屋埼灯台に次ぐ日本で2番目の高い塔(31.57m)とのこと。そして「世界の歴史的灯台100選」、「日本の灯台50選」、「近代化産業遺産」に選ばれています。
歴史も古くて、明治7年に英国人により設計され造られた西洋型の第一等灯台です。西洋技術を取り入れつつも、国産化(和魂洋才)に落ち着いたという経緯があります。今も現役の灯台で、近くの九十九里浜にちなんで、らせん階段は99段となっています。また地上からの高さは約27m、海面上からの高さは約52mとのこと。昇った灯台からの眺望は見事で、太平洋を一望の下にすることが出来ます。そして北に君ヶ浜海岸、南に長崎鼻が・・・。
高さ2.6m、直径1.9mの4面閃光レンズで、沖行く船舶の道しるべとなっています。光が達する距離は約35kmとのこと。また風向、風速、気圧、波高、気象、無線方位信号などの船舶気象通報を提供しているそうです。
犬吠埼灯台には霧などで視界が悪いとき、空気を圧縮して大きなサイレンの音を出す霧信号所(霧笛舎)がありました(平成20年に廃止)。霧信号は日本ではじめて青森県の尻屋埼灯台に設置されたとのこと。その第1号が現在は、犬吠埼灯台の構内に展示されています。
レンガでできたこの灯塔は、120年以上もの歳月に耐え、現在も大空に向かってそびえたつています。長い歴史と太平洋からの強風に耐え続けてきた姿には、重厚さと気品が備わっています。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年04月03日
- 更新日
- 2016年09月30日 10時 29分