癒し憩い画像データベース/九州がんセンター

　秋月の城下町は筑前黒田５２万石の支藩として栄え、現在、筑前の小京都と呼ばれ、多くの人々が訪れています。黒門から垂裕神社への石段の参道は、モミジの緑葉、黄葉と紅葉の道としても有名です。この坂道の石段は、秋月藩の士族の老若男女が総出で造ったので、「士族坂」と呼ばれているとのこと。その長い石段を登りきると、静寂の森に囲まれた垂裕神社へ。この神社は1880年に秋月黒田藩の祖を祭るために創建されています。そして今、苔むした灯籠と杉林に、参拝者が鳴らす鈴の音が余韻を残しながら響いていきます。 　城址内の広場は、現在、梅園公園や秋月中学校となって、風情ある景観を醸し出しています。昔は奥御殿であった梅園公園。今は四季の植物が、それぞれの彩りを告げる公園です。今回はモミジの紅葉が迎えてくれました。また表御殿があった場所に建つ秋月中学校。今は長く伸びた秋月中学校の木造校舎が、私たちの中学校時代を、懐かしく想い出させます。時間が止まったような気がしました。 　秋月は美しい地名を持ち、歴史と自然が調和したふる里です。青い秋空は、どこまでも澄んでいました。（潮 信輔）