名所旧跡:No.12 平等院 (京都紀行)
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極楽浄土を夢見て
山紫水明の地として名高い宇治に建ち、藤原一族の栄華を今に伝える平等院は、宇治川の西岸にあった左大臣・源重信の婦人の別荘を、時の権力者、関白・藤原道長が譲り受け、その子・藤原頼通が永承7年(1052)、極楽浄土を夢見て寺院に改めたものです。
平安中期に栄華を極めた藤原時代でありましたが、当時は、仏の教えが廃れ、暗い世の中がおとずれるという「末法思想」が広まりつつある最中の改築でした。
それまでは、平安貴族たちが別荘として200年余り所有していました。その歴代の主の一人が「光源氏」のモデルとなった源融(みなもとのとおる)です。源氏物語の終盤部分では、光源氏が息子の夕霧に譲った「宇治のお屋敷」が度々登場しています。
10円硬貨の図柄でも知られる鳳凰堂
翌年(天喜元年(1053))には、鳳凰が羽を広げるような美しい姿の鳳凰堂が完成しました。
中央のお堂を中心に左右に翼廊、後ろに尾廊がのびる様は正しく鳳凰そのもの。中堂には阿弥陀如来が座し、壁面には雅楽を奏でたり、舞をする雲中供養菩薩像が描かれています。まさに極楽浄土の憧れを模したものでありました。
名 称/平等院(びょうどういん)
所在地/京都府宇治市宇治蓮華
平成6年(1994年)、「古都京都の文化財」として日本で5番目となる世界遺産に登録されました。平等院と宇治川を挟んだ対岸の宇治上神社もその一部に含まれております。
世界遺産 登録年/1994年(平成6年)
世界遺産登録種別/文化遺産