名所旧跡:No.127 羅漢寺 (歴史を感じる)
中津市本耶馬渓町にある曹洞宗羅漢寺は、全国にある羅漢寺の総本山です。
大化元年(645)にインドの僧・法道仙人が金銅仏を持参し、岩山の洞窟で修行したことから開基された由緒ある寺です。
羅漢山中腹の岩盤をくりぬいたような場所に建ち、山門も本堂も岩にしがみついているようにも見えます。また無数の洞窟もあり、その中に3700体以上の石仏が安置されているそうです。
なかでも無漏洞(むろどう)の五百羅漢と、1100体以上の石仏がある千体地蔵などが有名です。
岩山の急坂に建ち並ぶ仏閣
参道入口には“青の洞門”を掘った禅海和尚の遺品を納めた「禅海堂」があり、禅海が当時掘削に使用していた道具や、貴重な資料が展示されています。
そしてリフトで急坂を一気に上がり、千体地蔵に到着します。室町時代に普覚禅師という高僧がこの千体地蔵と十王尊を刻み安置したとされたそうです。
次に辿り着く山門は、室町幕府三代将軍・足利義満により建立されたといわれています。扁額の「耆闍崛山」は羅漢寺の山号で、禅宗の黄檗の三筆の一人・即非和尚が寛文6年(1666)、羅漢寺を参詣した際に書いたといわれています。
山門をくぐると無漏洞があり、杓文字が絵馬代わりのようにたくさん吊されていました。その中の五百羅漢は、延文4年(1359)逆流建順という僧がこの地を訪れ、昭覚禅師とともにわずか1年で700余体の石像物を彫ったといわれ、その像が安置されています。
その奥にようやく本堂があり、すぐ脇には枯れた滝跡がありました。
本堂は昭和18年(1943)に火災で焼失。現在の本堂は昭和44年(1969)に再建されたものです。
名 称/羅漢寺(らかんじ)
宗 派/曹洞宗
所在地/中津市本耶馬渓町跡田