名所旧跡:No.135 山鹿灯篭祭り (古都を旅する)
「山鹿灯篭祭り」の動画
4世紀頃、日本武尊(やまとたけるのみこと)の父・第十二代景行天皇が九州御巡行の際、菊池川一帯にたちこめた濃い霧に進路を阻まれていました。
その事を知った村人達は、松明(たいまつ)を焚いて迎えにいき、道を照らしながら道案内をし、ご一行は無事山鹿へお着きになりました。
そして行宮を建ててしばらく滞在されました。後に村人達は行宮跡に神社を創り、天皇をお祀りしたのが今の大宮神社です。
その時以来、村人たちは毎年灯火を献上し、室町時代に灯火から紙灯籠となったのが、山鹿灯篭の始まりと伝えられています。今ではお盆の“送り火”の意味も込められているそうです。
その後、紙細工で金灯篭を模したものが作られるようになり、天皇及び将軍家への献上品として発展していきました。
わずか180gの伝統工芸品を頭に乗せて
毎年8月15日〜17日未明にかけて行われる「山鹿灯篭祭り」。
15日の前夜祭では、大宮神社に奉納される山鹿灯篭が各町内に飾られ(奉納灯篭)、頭に灯籠を乗せた女性たちが町中を踊り歩きます。
この奉納灯篭と、頭に乗せた金灯篭は、和紙と糊だけで作り上げる伝統的な工芸品です。奉納灯篭は大宮神社に献上され、1年間灯籠殿に奉納されるそうです。金灯篭は聞くところによると、なんと180gしかないそうです。
そして祭りのクライマックス「千人灯篭踊り」が16日の夜に行われます(1部2部の2回公演)。名前の通り1000人もの女性が何重もの円をつくり、一斉に踊る姿は優雅で幻想的です。
「よへほ節」にあわせて、浴衣姿の踊り子の頭上で、灯篭のあかりが揺れ動く様は、時が経つのを忘れ、酔いしれてしまうほどです。
その時男性たちは村人に扮して、松明(たいまつ)をもって行列を作り、踊り子のつくった円を更に取り囲むように行進していきます。
県内外からも多くの人が訪れ、その数は30万人ともいわれています。
灯篭師がひとつひとつ手作りで作った金灯篭は和紙でできているので水に弱いので、小雨時は金灯篭にビニールを被せて踊るそうです。しかし雨天時は中止されるとのことです。
名 称/山鹿灯篭祭り(やまがとうろうまつり)
所在地/熊本県山鹿市山鹿