名所旧跡:No.151 白水溜池堰堤(白水ダム) (先代の叡知)
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「白水溜池堰堤(白水ダム)」の動画
弱い地盤を守るための工夫
白水溜池堰堤(白水ダム)は「富士諸井路」の水不足対策として、昭和9年(1934)から4年半の歳月をかけ、昭和13年(1938)3月に完成した農業用の取水ダムで、この地域の農業用水・電力源となっています。
特徴は「転波」と呼ばれる水が階段状になって落ちる様が美しく、芸術性さえ感じさせるものです。(堤の左側は曲線的に、右側は階段状に流れ落ちています。)これは弱い地盤を守るため、なだらかな曲線を描いて水が落ちるよう工夫されたものです。
貯水量は完成時には約60万トンだったそうですが、現在は約20万トン。現在も約280haの農地を潤しています。堤長約86m、堤高約14mの規模を有しておりますが、ダムではなく「堰堤(えんてい)」と呼ばれています。(分類上、高さが15mを超えるものを「ダム」と呼ぶそうです。)
阿蘇溶結凝灰岩の石造り
築堤には、現場で採れる阿蘇溶結凝灰岩を切り出し、レンガ状に加工して積み上げる工法が用いられています。
積み石の隙間にはコンクリートが使用されてはいますが、ほぼ石造りといってよいでしょう。
大分県初の昭和近代遺産として国指定重要文化財となっています。
名 称/白水溜池堰堤(はくすいためいけえんてい)
通 称/白水ダム(はくすいだむ)
所在地/大分県竹田市大字次倉(右岸)
大分県竹田市荻町大字柏原(左岸)