名所旧跡:No.164 エディンバラの旧市街群と新市街群 (欧州の名所)
エディンバラはスコットランド州の首都(人口約45万人)で、ロンドンから北北西に約630kmの地点にあります。
前方は海、後方は高地で守るのによい場所とされ、7世紀に城が築かれました。エディンバラとは「エドウィンの城」の意味で、エドウィンはこの地を支配した王の名前、バラとは城壁に囲まれた町や村という意味だそうです。
9世紀頃、アルバ王国のケネス1世によって諸王国が統一され、スコットランド王朝の始祖ができました。その後は長いイングランド王国との争いが絶えませんでしたが、その事がかえってフランスなどのヨーロッパ列強との結びつきを強め、交易・商業が発達していきました。
そんな抗争の長い歴史に終止符が打たれたのが1603年、スコットランド王国のジェームズ6世がイングランド王ジェームズ1世となったことから、イングランドと同君連合が結ばれました。
さらに1707年、別々の王国であったイングランドとスコットランドは合邦し、グレートブリテン王国が成立。
それまで独自の歴史と文化を育んできたスコットランド王国の中心都市エディンバラには、中世の街並みが残る旧市街と、合併後の18世紀後半に建設された「北のアテネ」と称される新市街の両方が、ユネスコの世界遺産に登録されています。
旧市街にはエディンバラ城のほか、セント・ジャイルズ大聖堂やホリルードハウス宮殿などの歴史的な建造物があり、新市街は計画的な都市設計が評価され、世界遺産となったようです。(建築史上または歴史上、貴重といわれる建築物の数は約16,000と言われています。)
スコットランドの文化の中心都市
産業革命以後、スコットランドの経済の中心はグラスゴーに移りましたが、現在でも文化の中心はエディンバラ。特にエディンバラ大学は、哲学者のデイヴィッド・ヒューム、経済学者のアダム・スミス、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンなどを輩出した伝統ある大学です。
また、この街のカフェで、作家J.K.ローリングが「ハリー・ポッターと賢者の石」を書き上げたとか……
街のほぼ中心にある“カールトン・ヒル”という小高い丘で、毎年8月に「エディンバラ・フェスティバル(芸術祭典)」が行わます。
城の前の広場ではミリタリー・タトゥー(エディンバラ軍楽祭)と呼ばれる軍隊パレードがあり、毎年多くの観光客で賑わうそうです。
名 称/エディンバラの旧市街群と新市街群(えでぃんばらのきゅうしがいぐんとしんしがいぐん)
所在地/イギリス スコットランド州エディンバラ市
世界遺産 登録年/1995年
世界遺産登録種別/文化遺産