名所旧跡:No.23 朝倉三連水車 (先代の叡知)
再生にはFlash Playerが必要です。
「朝倉三連水車」の動画
蛍もにぎわう「田んぼのSL」
福岡県の東南部にある朝倉郡。
ここには、鮮やかな緑の山並みを連ねた耳納連山や、春には河川敷に菜の花のじゅうたんができる筑後川を背景に、訪れるすべての人にも郷愁を感じさせる田園があります。
そして今も昔も変わらぬこの風景の中に、ゴットンゴットンと、もう200年以上も回り続ける水車があります。
写真は、「田んぼのSL」の呼び名で親しまれている菱野三連水車。これに三島二連水車・久重二連水車を合せた三つの水車は、平成元年に「堀川用水路水車群」として、国の史跡文化財に指定されました。
6月には、水車の水しぶきに螢が飛び交う、とても幻想的な世界を見ることができます。
旅立ちの町
歴史的にも由緒のある朝倉町。7世紀には斉明天皇が、新羅に攻められた百済の援護のため、この地から朝鮮半島へ出兵。当時を偲ぶ史跡も、数多く残されています。
また、「堀川用水路水車群」の北西には、南淋寺というお寺があり、本尊は「薬師如来坐像」[国指定重要文化財]。
これは伝教大師[最澄]の作で、空海とともに唐に渡った大師が、航海の安全を祈って七体の薬師仏を彫ることを誓願した時の、一つ目の尊像と言われています。
「堀川用水路水車群」が潤す農地の面積は13.5ヘクタール。
肥えた大地と筑後川の良質な水に恵まれた朝倉町は「日本米づくり百選」にも選ばれています。
名称/朝倉三連水車(あさくらさんれんすいしゃ)
場所/福岡県朝倉郡朝倉町菱野
平成2年(1990)に国の史跡に指定されています。