名所旧跡:No.64 ライン渓谷上流中部 (欧州の名所)
「ライン渓谷上流中部」の動画
スイスのアルプス山脈にあるトマーゼ湖から流れるライン川。
そこから北海までの全長1320km(日本最長・信濃川の約3.6倍)の長旅の間、スイス、オーストリア、リヒテンシュタイン、フランス、ドイツ、オランダの6カ国を流れていきます。
そのうちドイツを流れるのは698km。マインツ〜コブレンツ間にあたるライン川中流域の上流部が世界遺産にあたり、観光船でリバークルーズが楽しめます。
また観光船だけではなく物資を運ぶ船舶も多く、外国の船が自由に航行する国際河川の一つで、古来から交通の大動脈でした。ドイツ人はこの川を「父なる川」と呼んでいます。
流域沿岸には13〜14世紀に建てられた古城が多くのこり、現在でもホテルやレストラン、また博物館として利用されています。
ローレライ伝説の断崖
実らぬ恋を嘆く歌を歌いながら、岩の上で長い髪をとく美女「ローレライ」に見とれ、多くの船乗りたちが命を落としたという伝説。
この辺りがナポレオンに占領されていた19世紀初め、ロマン派の詩人ブレンターノは、ラインを舞台にしたバラード「ローレ・ライ」を発表しました。愛した男に裏切られ、他の男たちを惑わした末に、最後は岩の上からラインに身を投じて滅んでしまう美しい魔女の物語は、当時の大変な人気となりました。
実際この辺りは昔、川が急カーブした難所でした。数度にわたり河岸断崖を爆破して今のような安全に航行できるようになったわけです。
ライン川中流域はドイツ有数の白ワインの産地として有名です。 なかでもリューデスハイムは、中世の街並みを残し、ワイナリーも多く観光客の人気があります。
名 称/ライン渓谷上流中部(らいんけいこくじょうりゅうちゅうぶ)
所在地/ドイツ ラインラント・プファルツ州 ライン川流域
世界遺産 登録年/2002年
世界遺産登録種別/文化遺産