名所旧跡:No.92 秋吉台国定公園 (自然味豊かな名所)
「秋吉台国定公園」の動画
山口県の秋芳町と美東町にまたがって広がる日本最大のカルスト台地「秋吉台」。秋吉台は標高400m、長さ20〜、幅8〜、広さは東京ドーム346個分もあるそうです。
今から約3億5千万年前、海底火山爆発が起きるたびに、のちに秋吉台となる海底は上昇し、海面近くまで押し上げられ珊瑚礁が形成されました。
そして約2億5千万年前には、大規模な地殻変動によりユーラシア大陸の一部の陸地となって海中から顔を出し、珊瑚礁だった部分は化石化して石灰岩となっていきました。
その後は、雨水による浸食を受けて、多数の窪地(ドリーネ)や鍾乳洞を形成し、現在のような石灰岩台地となったそうです。地上には石灰岩が露出し非晶質や結晶が緻密で、頂点が尖っているものが多いのが特徴です。(他のカルスト台地の石灰岩は、全体的に丸みを帯びているものが多いそうです。)
また、カレン(溝)や、ドリーネ(窪地)が点在し、なかにはウバーレ(大窪地)などがいたるところで見られ、周辺部にはポリエ(盆地規模の窪地)もあります。
昭和30年(1955)に国定公園(秋吉台国定公園)に指定され、昭和39年(1964)に特別天然記念物に指定されています。
昭和天皇からその名を賜った“秋芳洞”
広大な秋吉台の地下には巨大な洞窟が400以上もあるといいます。なかでも代表的なものは秋芳洞(あきよしどう)です。秋芳洞は東洋最大の鍾乳洞で、大正15年(1926)、当時皇太子であった昭和天皇が鍾乳洞を探勝になり、名前を賜ったとのことです。(洞口に瀧があることから、昔は「瀧穴」と呼ばれていたそうです。)
総延長は約10kmまでが確認されていますが、観光で見学できるのは約1kmで所要時間は1時間弱。温度は四季を通じて17℃で一定し、夏涼しく冬は温かく、四季を問わず観光できます。
黄金柱、傘づくし、千町田、百枚皿など、見所はたくさんあり、大正11年(1922)に天然記念物に、昭和27年(1952)に特別天然記念物に指定されています。
草原を維持するために、毎年2月下の第3日曜日に日本最大規模の山焼き(火入れ)が行われ、多くの観光客を集めています。
また、平成17年(2005)11月、アフリカ・ウガンダで開催された第9回締約国会議において、秋吉台にある3つの鍾乳洞(秋芳洞、景清洞、大正洞)は「秋吉台地下水系」という名称で、ラムサール条約登録湿地となりました。(地下水系としては国内初)
名称/秋吉台国定公園(あきよしだいこくていこうえん)
場所/山口県美祢郡秋芳町と美東町