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ハマユウ「花と実の移り変わり」
Seasonal changes of crinum asiaticum
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ハマユウ(浜木綿)は東アジアから南アジアにかけて,温暖な海岸の砂地に生える常緑の大形の多年草です。高さ約50〜80cmと大型で、葉は光沢があって、なめらかです。温暖な地域を好む海浜植物であるために、日本では房総半島より南の温暖な海浜で多く自生。しかし道ばたや公園、庭に植えられることもあり、身近な植物でもあります。宮崎県の県花となっていて、日南海岸で群生している姿を良く目にします。堀切峠の美しいハマユウ、宮崎観光のひとつとして有名。太平洋に面した青い海を背景に、「はまゆう」の白い花が引き立ちます。
花期は夏で、葉の間の真ん中から太くてまっすぐな茎を上に伸ばし、先端に白い花弁が25〜40個ほど集まって、散形花序を作ります。花序ははじめ苞に包まれていますが、開花するとこの苞は下に垂れます。そして花弁の根本の方は互いに接して筒状ですが、短い柄の先にある花弁は、白くて細長い6枚となって広がり、先端部は反りかえります。その姿が木綿(ゆふ)を垂らしたようであり、また浜辺によく咲くことから、浜木綿と の和名が付けられました。花言葉は、「どこか遠くへ」、「汚れがない」とのこと。浜風に揺れながら、白くて細長い花びらたちが、青い海を見ている姿に、ぴったりと合っています。
雌しべと雄しべによる受粉が成立すると、花被筒と融合した子房が肥大して歪な球形の果実となります。実から出た種子は、大きく水に浮くので、海流に乗って主に浜辺に分布して行くのでしょう。幾つもの世代を経ながら・・・、広く生育して行く姿には、真の強さもあるようです。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年03月15日
- 更新日
- 2022年08月27日 17時 37分