癒し憩い画像データベース/九州がんセンター

　日本の秋はひときわ澄んだ青空に、涼しさを含んだ風が頬を撫でて行きます。高原に、草原に、里山や里村に、海辺に、公園や街かどにも・・・。コスモス、ホトトギス、キク、ススキ、ワレモコウなど、秋の花がいろいろな所で咲きます。

　多彩な花が姿を現してくる野の小径　、陽だまりに輝く路傍の野花、海辺で彩りゆたかに生きる草花、南洋の潮風に揺れる赤い花たち・・・。私たちをなぐさめ、励ましてくれます。　可憐な花、可愛い花、陽気な花、微笑む花、心に秘めた花、情熱の花、慎ましい花…そして心の花。

　また秋は、実りの季節です。秋風が静かに、静かに吹き渡り、赤く熟れて行くカラスウリの実は、真っ青な空に映えます。ノブドウをはじめ、いろいろな色をした多彩な実たちは、上を向いたり、静かに下を向いたり・・・。

 秋の訪れは、野や山や街角に、草木の花たち、実たちをともないながら、今年もたしかに巡ってきます。　人は一人ではありません。自然があり、草花たちがいます。自然という友だちが、いたる所にいます。そして垣根の秋草にまじって、虫の音もかすかに聴こえてきます。わが国は、素晴らしい秋の風情を持っています。（潮 信輔）