TOP > テーマ別おすすめ画像 > ブナと森林の四季
テーマ別おすすめ画像
ブナと森林の四季
Four seasons of Japanese Beech
/
ブナは温帯域に生育し落葉する高木で、大きいものは高さ30mにも達するものがあります。寒い地方では低山の照葉樹林帯に、暖かい地方では亜高山の針葉樹林帯の間に自生。雪が多い日本海側の山地や、奥羽山脈の近くでは、ブナの森林が広範囲に広がっていて、多くはミズナラなど他樹種との混交林をつくっています。この中にあって、白神山地のほぼ純粋なブナ林は、有名で世界遺産に登録されています。
春から夏、ブナの森は水をため込みやすいために、保水力が大きくて湿潤なブナ林は、緑のダムとも呼ばれます。 樹皮は灰白色できめが細かく、ブナの樹皮には、地衣類やコケが覆って、白から灰色でやや緑色を帯びた独特の斑紋をしています。若葉は互生し、辺縁が少し波打ちます。
秋から冬。ブナの木は葉を落とし、林床を黄色い落葉で絨毯の様に飾ります。それにつれて、ブナの森林はボーツと白く浮かび上がり・・・。地面に落ちたブナの果実は長さ1.5センチくらいで堅く、長い総苞によって包まれています。3つの稜があり、灰色がかっていますが、次第に黒褐色に推移します。この実たちは多くの哺乳類の餌となっています。
真冬、東北の山々は深い積雪で覆われます。すっかり葉を落としたブナは、冬木立となって、風雪に耐えます。そして雪の下では、新しい息吹がゆっくりと生まれています。
ブナは昔より植物や動物たちを育み、日本人の心の故郷となっています。(潮 信輔)
- 登録日
- 2014年02月20日
- 更新日
- 2019年09月11日 14時 27分