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秋の浅間山の「溶岩原(鬼押出し園)」
浅間山は今から十数万年前より、活動を始めたのはと考えられています。その後、数えきれないほどの爆発と噴火を繰り返した結果、現在の三重式の姿が形成されたものです。とくに有名なのは天明3年(1783)の浅間山大噴火・・・。山頂火口から北方へ約5.5km、幅は800m〜2kmとされる広大な溶岩原を創造し、世界3大奇勝のひとつと言われています。
当時の人々は、この大噴火は火口で鬼があばれて、岩を押し出したに違いないと考えていたようです。この謂れから、見渡す限り一面に広がる溶岩原の中の景勝地は、鬼押出し園(おにおしだしえん)と名付けられています。時を経て・・・、現在では溶岩を友としながら植物たちが根付き、四季それぞれの姿で溶岩原に彩りを添えています。そして設けられたのが4つの遊歩道コース(表参道、裏参道、高山植物観察コース、裏の院参道、高山植物観察コース)。散策しながら、溶岩の跡に自生しているいろいろな高山植物を楽しむことができます。
園内には、東京上野の寛永寺の別院として浅間山観音堂が設置されていて、地球の自然の力のすごさへの畏怖と人々への安寧を伝えています。また園内には随所に見晴らし台はあり、浅間山や黒斑山の姿、そして広大な溶岩原の先には、北アルプス連峰、本白根山などの眺望を楽しむことができます。
今回訪れたのは晩秋。澄んだ青空に浅間山の白くて穏やかな白煙が立ち昇り…、麓から流れて行く白い雲の中へ、行き来していました。人影も少なくて、晩秋で寂しさを漂わせている溶岩の原では、黄色や紅色の葉、紫黒色の実たち、そして朱色に輝く浅間山観音堂の欄干や橋が旅情を奏でていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2013年02月28日
- 更新日
- 2017年01月03日 09時 55分