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夏・深緑期の京都「銀閣寺」
Ginnkakuji Temple in summer
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銀閣寺は正式の名称を東山慈照寺といい、臨済宗で相国寺派の塔頭寺院の一つです。室町幕府の八代将軍であった足利義政が、造営した山荘を起源としているとのことです。その後、室町時代の後期に栄えた東山文化を代表する建築と庭園美として、国内外に有名・・・。現在は、古都京都の文化財の一部として、世界遺産に登録されています。
楼閣である銀閣(観音殿 国宝)は柿葺で、質朴さの中に高貴さを加えた宝形型の重層構造です。初層は住宅の風で「心空殿」、上層は禅宗様(唐様)の仏堂で「潮音閣」と呼ばれます。そして書院造りの基となる意匠が取り込まれていて、東山文化の代表的な建築物とみなりされています。
銀閣寺の建物、庭園、池、裏山の森や竹垣などは、春夏秋冬と季節の巡りに合わせて、それぞれの風情を語ります。
今回、訪れたのは夏。銀閣寺は、銀閣(観音殿)をはじめ本堂、東求堂、総門などは、深い緑に包まれていました。白く光る銀沙灘と向月台と濃い緑の松や古い木々を背景にして浮き立って・・・。そして傍に渋い黒色を帯びた銀閣(観音殿)が、寄り添っていました。
また錦鏡池では、秘めやかに水音を流し、水面に周りの影を映しては時たま渡って来る涼風に、かすかに小波に揺れていました。洗月泉の滝は、いつものように水しぶきで石や周りの草木を濡らして・・・。
小高い山の森の緑に抱かれた「お茶の井の石庭」は、長く続く黄色を帯びた竹垣に囲まれ、蝉しぐれと野鳥のさえずりが、夏の風情を語っていました。いつ来ても、何種類もの青緑の苔たちは、訪れる人々に変わらぬ優しさを与えてくれます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2014年01月22日
- 更新日
- 2018年01月23日 15時 56分