癒し憩い画像データベース/九州がんセンター

我が国の渓流美を代表する「奥入瀬渓流」は、十和田湖の「子の口」から自然そのものの原生林の中を流れ下る清流です。湖からほぼ一定の水量で流れ来るので、谷、岩や林などの地形で急流や早瀬になったり、また穏やかでゆったりした流れになります。これに多くの滝が加わり、変化に富んだ渓流・・・。見る人の目と心をとらえつづけます。 

今回、真冬の奥入瀬渓流を訪ねました。 ３０ｃｍ以上も積もった静寂の雪景色・・・。すっかり葉を落とした冬木立の原生林の中を、足元から粉雪まじりの風が舞い、カメラの三脚を倒しそうになりました。銚子大滝と雲井の滝は、半分が氷結していましたが、氷柱のそばを滝筋が、凍ることなく静かに流れ落ちていました。時々、枝に積もった雪が風で、ザワー、ザァーツと音を立てながら落ちつつ、粉雪を巻き上げて。そして人ひとりいない森の中の車道を、時たまライトをつけた乗用車が通り過ぎつつ、さらさらした粉雪を吹き上げていました。一面の白い奥入瀬は、静と動が混じりあっていました。（潮 信輔）