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冬・積雪期の鳥海山麓「元滝伏流水と周辺」
"Moto-taki" underflow (waterfall ) at Nikaho-shi in winter
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元滝伏流水は鳥海山の山腹にある元滝の約200m下流にあって、伏流水として岩の隙間から流れ出てきているものです。高さは5mですが、幅が30mもあり、大小の伏流水となって落ちています。巨岩の下からや岩の間から落ちる滝・・・。また繊細で“蛍滝、すだれ滝”とも表現したくなるようなものをあります。そして滝の周りの苔むす岩は、いつもきれいな緑色です。
今回やって来たのは真冬の1月中旬。あたり一面が白い世界の中、森閑に包まれた雪道をゆっくりと踏んで進むと、やがて次第に滝の音が聞こえはじめ、近づくにつれて確かな音に変わってゆきます。枯れた冬木立や草木の間には、常緑の杉林と緑苔の巨石が映えて見えました。いろいろな表情を見せる岩をみながら、チョロチョロと流れる渓流に沿って歩を進めると、幅ひろい滝の筋が近づいてきます。近くで見ると、滝は8〜10つに分かれ、多くは岩壁や岩の間から流れ落ちていました。これが鳥海山麓の元滝伏流水。周りの静かな白い積雪と滝の白い筋・・・、静と動の白い世界。すぐ傍では、繊細な“蛍滝・すだれ滝”が氷結もしないで、可憐に垂れていました。
滝の周りでは、大小不同の岩たちや流木の上に生える緑の苔が、雪や飛沫に濡れては、一層あざやかでした。また倒木や流木の苔の間からは、小さな若木たちが、懸命に緑の葉を伸ばしていました。春には少し背を伸ばすでしょう。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年08月31日
- 更新日
- 2017年08月31日 10時 07分