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陸中海岸の景勝地(白い「浄土ヶ浜」と黒い「碁石浜」)
Scenic spots on the Rikuchu coast ,white "Jodogahama" and black "Goishihama" in Iwate prefecture.
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浄土ヶ浜は、岩手県の宮古市にある美しい海岸の一つで、代表的な景勝地として国の名勝地に指定されています。その由来は江戸時代に、ある寺の住職が訪れた際に、「さながら極楽浄土のごとし」と感嘆したことから名付けられたとのことです。入り江には火山岩からできた鋭くとがった乳白色の岩塊が林立し、そこから崩れた礫や白い小石で敷き詰められた海辺の景観。見事です。岩や小石は主に流紋岩という火山岩で、その白い色は二酸化ケイ素を多く含むため白い色をしていると説明されています。また岩塊の上には常緑樹である赤松が立っていて、日本庭園のような美しさが・・・。
一方、碁石浜は岩手県の大船渡市の末崎半島にある海浜で、海辺一面に黒くて丸い小石が玉砂利様に堆積した名勝地です。天然記念物に指定されています。名の由来は、まるで囲碁の黒い玉石のように、丸くて扁平な小石を主体とする海浜であることから。海岸付近にあった主に泥からできた岩石が、風雨によって崩れ、潮の満ち引きや繰り返す波によって洗われ、磨かれ、黒い碁石のよう丸くなったと考えられています。実際に耳を傾けると、引き潮の波で黒い小石たちが、お互いにコロコロと微かな音を立てながら動いていました。
同じ岩手県にある陸中海岸の景勝地として、浄土ヶ浜と碁石浜は対照的な色彩を示しています。しかし共に、自然が長い年月をかけて創った美しさには、驚くと共に感謝したい気持ちで一杯です。(潮 信輔)
- 登録日
- 2024年12月17日
- 更新日
- 2024年12月17日 06時 25分