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ジュズダマ(数珠玉)の四季
Four seasons of grass called Job's tears( Coix lacryma-jobi)
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ジュズダマ(数珠玉)はインドなど、アジア原産のイネ科に属する単子葉の多年草です。日本には古い時代に渡来し、今ではあぜ道や原野の水辺などで広く自生しています。穀物として栽培されるハトムギの原種とのこと・・・。和名は数珠を作るのに用いられたことから。葉は線形で、花は束になった茎の葉の付け根に、多数つきます。
花は雄花と雌花があり、小さくて目立たないが、それぞれ特徴があります。花序が短縮して重なり合った鱗片の間に、花が収まるという小穂の形をとります。そして葉鞘から顔を出した穂の先端には雄花が、基部には雌花が・・・。雄花は苞鞘から外に出て垂れさがり、風によって花粉を散らします。一方、雌花は苞鞘の中にあって、ひも状の柱頭先だけを外にだし、花粉を受けるとのことです。
やがて雌花は受粉して緑色の実になると、苞葉鞘の内で成熟し、表面が非常に固くなり、つやに富んだ陶器質を保持し、色も茶から黒色に変化して行きます。脱落した実は乾燥すれば、長くその色と形と固さを保つので、数珠を作るのに使われました。
実の中心には、花軸が通る穴が空いているので、糸を通すのも簡単。子供のころ、硬くて丸い実を入れてお手玉にしたり、また糸を通して実をつなげ、ネックレスや数珠を作って遊んだものです。ジュズダマは懐かしい思い出にも、たしかに繋がります。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年08月22日
- 更新日
- 2017年08月22日 08時 47分