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サラシナショウマの若葉から実まで
Four seasons of Cimicifuga simplex (sarashinasyouma)
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サラシナショウマ(晒菜升麻)は、北海道から九州の山地で林縁や林床の半日陰のところに自生する多年草です。和名の由来は、若葉を茹でて水に晒して食用にでき、また升麻は、葉が麻に似ているとしてつけられた中国での薬用名とのことです。
地下茎として横に伸び、その根茎は解熱、解毒、抗炎症作用がある生薬として日本薬局方に収録されています。葉は互い違いに生え(互生)、多くの複葉をつけます。小葉は細長い楕円形で先が尖っていて、その縁は鋸歯状となっています。木漏れ日を受け、林の風にそよぐ浅緑の葉たち・・・、清らかです。
緑色の蕾を沢山つけた茎は、高さ1mに達し数個に枝分かれをして、長さ20〜30cmにも及ぶ細長い蕾の穂をほぼ垂直に立てます。
晩夏か秋の花の時期になると、小さな花をびっしりとつけた総状花序となります。円柱状のその姿はまるでブラシのように見え、しばしばやや下向きに湾曲しています。純白な総状の花序も、涼しい風に頭を揺らし、半日陰の林の中で白く浮きでて・・・、清純です。そして、ひとつひとつの愛嬌のある花は手の指を広げたように咲き、隣の花たちと一緒に、無邪気に少し震えます。花言葉は愛嬌、無邪気とのこと。
花の後に出来てくる実は、次第に黄褐色から濃い褐色になり、熟すると果皮が自然に裂けて種子を放出します。そして晩秋から冬の間、時の流れにしたがいつつ、次の暖かい春の訪れを静かに待ちます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2015年11月06日
- 更新日
- 2016年09月12日 11時 16分