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カタクリの四季(蕾から実へ)
Dog's tooth violet: from bud to fruit
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カタクリは日本原産のユリ科の多年草で、単子葉植物です。落葉する森の樹林で、春に北を向いた丘陵地に群生することが多く、平地でも涼しい日かげの林床でよく見られます。
ひつそりと下向きに咲いた可憐な紅紫色の花・・・・・・。花びらを反り返らせた姿は、なんとも可愛いかぎりです。7〜8年の1枚の葉の時期を経て、2枚葉となってようやく開花するとのこと。辛抱つよい花です。そして美しく反り返った満開時の群落は、林床でかがり火のように映えます。
花をよく見ると、柱頭が3つに分かれた雌しべ、それを取り囲む6本の雄しべ、そして花びらの基部には不思議なW字型の濃い紫色の模様が・・・・・・。やがて花びらは落ち、緑色の実が育ってきます。そして果実が熟し、白い皮から種子が現れ土に帰ります。
一方、土の中では鱗茎も育ち、球根からは良質のデンプンが採れます。片栗粉として有名で、幼い頃、お腹をこわした時、母がしばしば片栗粉にお湯をかけて、食べさせてくれました。カタクリは懐かしい思い出につながる植物です。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年08月02日
- 更新日
- 2016年10月01日 16時 07分